FRPは繊維強化プラスチックのことで、FRP船とはFRPで作られた船の事をいいます。そこでFRP船に付いた傷は自分で補修することが可能なのか?その方法についてご紹介をいたします。
ボートなどについた小さな傷なら、自分で補修をすることは可能です。補修に必要な研磨剤やパテ、塗料や硬化剤など補修に必要な道具を揃え、注意点を踏まえて補修を行ってくださいね。
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FRP船の補修の仕方!研磨で補修部分を診断
カーボン繊維やガラス繊維などと樹脂素材を層を重ねるように塗り重ね、強度を増したプラスチック素材をFRP(繊維強化プラスチック)と呼び、金属と同じような強度を持つのが特徴です。
強度は強いですが柔らかさは少ないために金属のように変形して耐えることはできず、衝突などによってヒビが入ってしまうことがあります。
まずは必要なものを準備しましょう。
- FRP補修の材料
- FRP専用塗料
- グラインダー
- 紙やすり(80番~240番)
- コンパウンド
- 刷毛(5~10センチ幅のもの)
- ローラー
- 帽子
- ゴム手袋
- マスク
- 保護メガネ
- マスキングテープ(幅広のもの)
- 新聞紙
- 紙コップ
準備が整ったら、作業をしていきます。
傷が大きい場合はグラインダーを用意しましょう。
滑らかになるまで削り、補強を行う範囲、使用する繊維、何層にするかを決めます。
傷の表面が滑らかすぎると補強したFRPが剥がれてしまうので、粗い紙やすりでやすり掛けします。
細かい粉が舞うので、マスクや保護メガネを着用して作業してください。
研磨が終わったらFRP専用パテで船を補修
研磨作業が終わったら、ヒビを瞬間接着剤で接着したり、専用パテで穴埋めを行います。
次に、補修範囲以外に樹脂がつかないように新聞紙で覆って、マスキングを施します。
補修箇所の大きさに合わせて繊維を裁断します。
繊維方向に注意して行いましょう。
また、層を重ねるごとに少しずつ大きいものを重ねられるように、サイズを合わせて裁断します。
ゴム手袋をつけて、樹脂の調合をしていきます
樹脂を紙コップに出し、硬化剤を入れてよく混ぜます。
気泡が入らないように注意しましょう。
樹脂の硬化が始まります。
FRP船の補修、ガラスマットの積層について
補修する部分に樹脂を軽く塗り、繊維を置いてさらに樹脂を塗ります。
繊維の浮き上がりに注意しながら、ローラーで気泡を取ります。
繊維と補修樹脂を繰り返し重ね、積層作業をします
下の層より徐々に大きいものを重ねていきます。
ガラスマットとガラスクロスを互い違いに重ね貼りします。
重ね塗りすることで補強面の強度を増すことができます
少し硬化してきたら、不必要な箇所があればカッターなどでトリミングします。
このまま完全に硬化させるまで置きます。
硬化後はFRP専用塗料で船の補修が完了です
爪を立てて傷が付かないか、完全に硬化したかを確認します。
気温と硬化剤の量で硬化時間が変わってきます。
マスキングを外し、紙やすりやグラインダーで凹凸を削り、表面を滑らかにしていきます。
表面の凹凸が無くなったら、再びマスキングを施します。
FRP専用塗料を塗っていきます。
マスキングを外し、時間を置いて硬化させます。
完全に硬化したのを確認したら、紙やすりでマスキングの境目の段差を削っていきます。
目の粗いものから徐々に細かいものに変え、境目をなくします。
最後にコンパウンドで磨くと表面がきれいになります。
FRP補修の注意点について
FRPでの船体の補修は作業工程が多く、樹脂に硬化剤を混ぜて硬化し始める時間を考えると速やかに作業しなければならないため、しっかりと手順を確認したうえでスムーズに作業を進めるための準備をし、硬化が進んでしまう前に積層作業を終えられるようにしましょう。
樹脂素材は一度硬化してしまうと、もとに戻ることはありません
刷毛やローラーなど作業に使った道具に付いた樹脂が固まってしまうと、再利用できなくなってしまいます。
硬化してしまう前に樹脂を洗い流しましょう。
ポリエステル樹脂は、ペイントうすめ液やシンナーなどの溶剤には溶けません。
アセトンを用意しましょう。
アセトンで洗った後は、中性洗剤でよく洗い、水気を拭き取って乾燥させます。アセトンは硬化前の樹脂に対する溶解性が非常に高くなっています。
また、揮発性が非常に高く、強い引火性の性質を持っている液体です。
火の気には十分注意し、たばこなども控えるようにしましょう。